■なぜAVでボランティア活動を?
細字=インタビュアー
太字=サックン(監督)
―裸の大陸の最新作で、なぜボランティアやチャリティーをやろうと考えたのでしょう?
撮影でアフリカなどの貧しい国を訪れた時に、さっきも言いましたが日本では普通に有り余っている物がないという状況を頻繁に目にしました。食べ物も水も足りないとか、もしくは無いとかいう状況なんですが、それでも現地の人達はそれが普通だと思って生活しているんです。そういう生活をほんの何日かでも共に過ごすと、TVを通して見るだけの場合とはまるで違って、自然と何か自分に手助けできないのかな?という感情が湧き上がりました。
それで4作目を撮影し終えた帰りの飛行機の中で「もしまたアフリカに来れたら食べ物でも水でも何か持ってきてあげたいな」とうっすら考え、日本に帰った時に企画会議の席で会社に「次はAV撮影以外にボランティア活動もやって来ませんか?」とダメ元で相談したんです。そうしたら会社から「ぜひやろう!」とOKが出て今回の企画が走り出しました。
最初は前に見たTV番組の企画が頭にあって井戸でも掘ってみようかと思ったんですが、あれこれアイデアを出した結果、会社が寄付金を100万円用意してくれたんです。まずはそれをどうにか上手く使って何をどこまでやれるのか勉強しようという話になって、今回の撮影の際にその100万円を使って家を建てたり食料を配ったりしました。
―今回は海外のボランティア団体が協力してくれているそうですが?
はい。この企画がスタートした時に、色々と協力してくれそうな団体を探し回りました。まず第一に「エロだけど平気ですか?」という問い合わせから始まって。そうしたらたまたまケニアの団体を紹介してくれるという人が見つかりました。その人に仲介してもらって、今回協力してくれたボランティア団体と知り合えたんです。そこは例えばユニセフなどと比べると規模は小さいんですが、名前も堂々と出してオープンな姿勢で協力してくれる事になったんです。
それで日本からただお金だけ持って行くのも嫌だなと思い、現地の人が本当に欲しがっている物を聞き取ってもらって、100万円の中でやりくりして出来る限りの物資を揃え、女優の佐伯さんを含めた自分達の手で配ったり、家を建てる作業を手伝ったりしました。
その団体は孤児院や未亡人の施設を運営しているんですが、孤児だけで200人くらいいるんです。その子たちにまず文房具を揃えてあげて、次に食料を配りました。それでもまだお金が余ったので、環境の悪い家に住んでいる人のために新築の家を5軒建てました。日本では考えられないですけど、ほんの何十万円かで5軒も家が建てられるんです。
当初はそういう活動の模様の他に現地でAVも撮影し、ひとつの商品として発売しようと思っていたんですが、AVを撮影し終えて日本へ帰る飛行機の中でまた悶々と考えまして。どうせなら最初の100万円だけじゃなく、売り上げの一部を寄付できないかなと。だって100万円でも色々とできたんですから、もう少し金額が多くなればもっと何かできるんじゃないかなって。ちょっと食料と水を買ったら無くなっちゃうかと思っていたのに、それ以外にまさか家を5軒も建てられるなんて思いませんでしたし、本当に喜んでもらえて、感謝してもらえて、単純に嬉しかったですし。それでまた会社に相談したところ「そんなけち臭い事を言わず全額寄付しよう!」と言われ、今回の企画の形が決定したんです。
2008年8月15日金曜日
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